コアラの生態、その真実とは?生粋のドMがウンチを食べる理由
誰もが可愛いと感じるコアラ。誰しもが一度は、コアラがいつも家に居て、いつでも抱っこ出来たら良いなと思った事があるんじゃないでしょうか?
いつもおとなしく抱っこされている姿は、本当に癒しですよね。オーストラリアでは高級ホテルの部屋の木に抱きついている事もあるそうです。実際はちょっと不気味かもしれませんが。
お菓子のモチーフになっていたりとなにかと愛されています。ディズニーの青くて乱暴なアイツなんかもコアラのディティールが元になっていたりしてますよね。とにかく愛されキャラであるコアラ。確かに可愛い要素でしか作られていません。
さてそんなコアラ、昔は関東では多摩動物公園でしか見れませんでした。また、名古屋の東山動物園でも昔から飼育されていて、名古屋人には思い入れも強いですね。あっそうです、だからドアラなんですよ。
当時、オーストラリアから上記2カ所と平川動物公園の計3カ所に贈られたコアラは国内で一大ブームを起こしました。
話は変わりますが、なんとコアラのお返しに日本はオオサンショウオをオーストラリアに送っています・・・。結構なセンスですよね。そりゃ大きいモノは迫力はありますし、神秘的な見た目ではありますが、コアラのお返しとは驚きです。ベクトル180度違ってます。
それはそうと、そのコアラ、真実は思っているイメージとかなり違うんです。
コアラは気軽に抱っこ出来ない
これは動物保護の問題や地理的な問題ではなく、単純に痛いって事です。
ほぼ木の上で生活するコアラ、更にほぼ眠って過ごす為、木にしっかりと掴まれるよう、爪はかなり鋭いんですね。そのまま抱っこしてしまうと皮膚を結構傷付けます。場合によっては鷹匠の手袋のようなスーツを着て抱っこする場所もあるようです。そりゃそうですよね。カブトムシですら腕に掴まれると痛いんですから。
コアラはサボっているんではなく、やられちゃっている・・・。
18時間~20時間は眠るか休んでいるというコアラですが、決して優雅に暮らしているわけではありません。
コアラは食物の確保の為、他の生物があまり食べないモノを食べるという選択をしました。皆さんご存知のユーカリです。ユーカリ自体700種類程あるようですが、どれも栄養価が低く毒性を持っています。ユーカリは昆虫や野生動物に食べられるのを防ぐためにタンニンや油分が多く含まれており、消化も悪く、食べ物としては優秀とは言えません。
一見賢い選択にも見えますが、実はそうではありません。18時間~20時間じっとしているのは、消化しにくいユーカリを消化させる為、他にエネルギーを使わないようにしているのです。更に2メートルある盲腸でユーカリを発酵させ消化するという進化の努力を行っています。
すごーく簡単に言ってしまうと「毒にやられちゃってます・・・」つまりぐったりしてるんです。
具合悪いんです。
お腹痛いんです。
なんか健気です。
逆に抱きしめてあげたいですね。
それでもコアラは通常の哺乳類の2倍の解毒遺伝子を持っていると言われています。そう考えるとユーカリの毒性ってかなり強いですよね。でも解毒遺伝子が強すぎて「薬、効かないみたいです。」なので軽い病気で結構死んでしまうようです。
コアラはウンチで育っている
そんな毒物を常用しているコアラ、当然コアラの赤ちゃんはユーカリは食べれません。毒ありますもの!
なので子供たちは解毒されたママのウンチを食べるんだそうです。低カロリーで栄養価の低い食べ物のウンチを食べるって、育つって大変です。
ウンチが食べやすいように有袋類であるコアラの袋は下向きについてます。ウンチを速やかに食べやすくする為です。
すぐウンチ食べたいんです。
目がまん丸くウルウルで、耳と鼻が大きくて、ゆっくり動き、指も足も短く抱き心地が良さそうなフワフワ、可愛い要素でしか形成されていないコアラ。
その実態は、毒物にやられ朦朧としつつ、ウンチで育っています。
萌えますね。超ド級のMです。生きるって大変な事です。?
同じ先祖から地上で生きる事を選んだウォンバット、もちろんルーツは一緒なので、当然可愛いのですが、真実を知ってしまった今となっては、コアラの可愛さには哀愁と悲壮が加わり放っておけないような感情が生まれてしまいます。