SalesMaster|売人

飛べない天使と溺れる人魚

企業と求職者が考えるべき面接と雇用関係は恋愛ドラマとほぼ一緒

企業と従業員の関係性は恋愛関係と同一である

企業の採用活動をしているといつも思う事ですが、本当に企業・組織と従業員の関係は恋愛に似ているなぁと思います。

採用活動はナンパや紹介であり、面接は合コンである。あくまで合コンであり、お見合いではないですね。私は男性なので、特に企業は「男性」で、求職者(従業員)は「女性」に思えてくるのですが、単純に言えば女性にもてる男性は、優良企業であり、持てない男性はブラック企業だと思います。 多くの人が望む環境を用意する企業という意味で、「もてる」と言えるでしょう。逆に多くの特定の性癖や嗜好性を持っていない人は、好んで選ばない環境がブラックと言えると思います。

企業と従業員双方にフラれる可能性があれば、結婚に至る事もあるでしょう。フラれてもその事実を認めない男性もいれば、改善しようとする男性もいる。もてる努力をする男性もいれば、ありのままを受け入れられるのを待つ男性もいる。

結婚のイメージ

企業も同様である。離職率を下げたければESを向上させたり、評価制度の整理や福利厚生を強化したり、社内道徳、モラルの向上をする等の努力をします。もちろんしない企業もありますが、生活のベースである「仕事」であれば、恋愛より道徳観が少なくなり、利潤主義が強くなります。当然、我儘やこだわりも強くなる。そして人生で出会う異性の数ほど企業はあり、自分にベストマッチする企業は異性同様少ない。

人を変える程、企業を変える事は難しくないとは思うが、人の塊である組織を変える事は、やはり容易ではなく仕掛けや演出が絶え間なく必要になる。

ただ、恋愛とは違い、ある程度目的が限られ、定められている営利団体であれば、正しいと思う事と正しいと思わないといけない事がある場合が多く、特定の正義は存在する可能性が高い為、価値観の異なる異性よりは変化をする事もあるかもしれません。

さて、今回は採用活動、求職活動、採用後の双方の在り方を恋愛に例えて考えていきたいと思います。まずは出会いの場である面接ですが、そもそも企業の採用活動とは、事業拡大や人員の補填として行います。

 

企業・求職者の採用活動の思考を理解する

では、企業としては採用活動をどう捉える必要があるか?

企業毎の考え方やビジネスモデルによって変わってくるとは思いますが、基本的な捉え方は大きく言うと3つあります。

①人員を増加し組織を強くしていく

  • マンパワーの充足により、補填前より補填後の方がひとつひとつの業務が密に出来るようになる。
  • 新しいセクションの構築、新店舗の出店等これまでになかった業務を行う事が出来る。
  • 現状不足しているセクションの補填。

②採用活動は宣伝活動である

  • 各求人媒体の登録ユーザーは一業界媒体とは比べ物にならない程、多い可能性が高いです。更に新卒採用ではかなりの学生へのリーチが可能であり、企業としての知名度が上がる事で潜在的な顧客の獲得、商材によってはブランド優位性を高める事も可能になります。
  • 会社説明会・面接も同様に宣伝活動である、採用の成否に関わらず希望者がこの会社で働きたい、素晴らしい会社だと思ってもらう事が大切である。働きたいと思えるほど素晴らしい会社が行っているサービスなら素晴らしいモノに違いないというファン化が可能。

③社内モチベーションの活性化

  • 同じメンバーで同じ場所で同じ業務を常に行っていると、どうしても既存イメージや概念から抜けられずに一定の仕事を正しいモノであると信じ込み過ぎてしまう。新たな第3者目線で会社・組織・チームを見てもらう意味でも定期的な活性化が大切です。既存メンバーの出来ない理由は新規メンバーにはやらない理由が理解出来ない事が多く、多くの優秀な先輩は新人にその理由を説明する事で、矛盾や怠慢に気付いていくものです。もちろんだからと言ってすぐには改善できませんよ。

これは恋愛で言うと少し強引になってきますが、強いて言えばこんな感じですかね?こちらも趣向性やメンタル状態によって人の数だけ存在するものかもしれませんが・・・。

  1. 生活に艶がない状態を打破する為、パートナーが欲しい状態
  2. 二次的な成果の為、自分自身のメリットを触れ込む事で、友達間での後押しを期待している状態
  3. 日常における事柄において、楽しいを倍に、辛いを半分にしていきたい。

簡単に言えばこんな感じでしょうか?

こう考えると求職者や企業側が面接において話さなければならない内容、アピールしなければならない部分が少し見えてくるような気がします。

面接のイメージ

つまり、面接の内容もユニーク(その人への個別の対応や言葉)でなければ効果は薄くなりますし、そう言ったスタンス造りが上手くいっていない場合は、人数あわせで参加した合コンのように、所在なく時間が過ぎてしまいます。

それぞれの思考から考えるべき対応方法

上記を踏まえて面接という出会いの場を考えていきましょう。

面接での対応とは一見企業が求職者を見極め、採用の選択をするように思います。ですが、逆に企業が求職者から選ばれている場でもあります。特に現在の売り手市場であればなおの事、その傾向が強くなっていると言えます。

また、求職者によって面接時における見極めるポイントやアクションの方法が変わってくると考えないといけないでしょう。

それは求職者にはそれぞれの事情があり、それぞれの能力や経験のもと、面接という行為を捉えているからであり、そういった意味でもやはり恋愛と似ていますね。

恋愛で言えば、直近の恋愛での不満からくるニーズにより、訴求すべきポイントが変動するという事になるかと思います。マッチングを見極め、訴求していければおのずと良い出会いに繋がりやすいと思います。

面接において求職者の思考は大きく分けるとまず2つに分かれます。

  • A:良い所があったら転職したい
  • B:転職が決まったら退職しよう
  • A:この会社が第1希望である、一社しか受けていない
  • B:いくつかの企業と競合している

これにより伝えなければならないポイントが変化したり、要望のヒアリングから面接のなかでマッチングを高めたりする事も必要となります。嘘はダメですけどね。
恋愛においては①は浮気の状態にあるので、あまり推奨は出来ませんが、当然起こりうる状況ではあると思います。

求職者のモチベーションは一般的に2つです、

  • 給料が高い、自分の経験値を即活用できる場である
  • 教育環境がある、興味がある領域での事業展開を成功させている、この人の下で働きたい

もちろん兼ね備えているに越したことはありませんが求職者のニーズの生成がしっかりと出来ている事が大切となります。経営者の魅力、会社としての魅力や将来性はもちろん、人事・面接担当者の魅力等もニーズに繋がってきます。可能であれば企業はそういった人材を採用の担当者に据えるべきであるし、担当者もその事をしっかり認識し状態で面接行為を行う必要があります。恋愛においても正に同様のニーズがあるかと思います。

実際に雇用した後の関係性とは

また実際に雇用がスタートした際、擬人化された企業との恋人関係はかなりシビアなものになると言って良いでしょう。

カップルの喧嘩

  • 将来性のない男性に魅力を感じるか?
  • 人のせいばかりにする女性に魅力を感じるか?
  • 働かせるだけ働かせ、ねぎらいや感謝のない相手に魅力を感じるか?
  • 精神的DV・ハラスメントを行う男性とずっと一緒にいたいか?

社内組織の関係と照らし合わせると、離職も当然という事はかなり多いかと思います。
ここは難しいところですが、擬人化した企業という存在は「誰」なのか?という事に立ち返るかと思います。

その対象はひとそれぞれによって違ってくるものですが、社長はもちろん、自分を除く社員全員とも言えます。一番多く感じる擬人化した企業の人勧のベースは、おそらく直属の上司・先輩となるでしょう。つまり、実は企業という人格には大半の社員が属してしまう事になります。その人は、その人でまた企業という擬人化した人格を別に捉えているにも関わらず、です。これって落とし穴ですよね?ミイラとりがミイラにではないですが、自分自身がそちら側に含まれた事すら、気付かない事が多いのではないでしょうか?

擬人化した企業を恋人だと考える

 そう捉えていくと、何故離職率が高いのか?何故採用活動が上手くいかないのかが、おのずと解ってくるかと思います。経営者サイドの管理職は、そこをなかなか同一に出来ない場合が多いですが、これまでの経験で言えば、企業の対応を彼氏や彼女の行為として置き換えると、必然的に振られる状態が浮かんできます。

悩む女性

ハラスメント行為はもちろん、企業のビジョンや将来性、相手に与えられるものや、生活をしていく中での満足感、他に好きな人が出来た等、基本的に恋愛関係が終わる要因と退職を決意する要因は同一です。

では末永くお付き合い出来る恋愛関係を雇用関係で築ければ、おのずと離職率は下がってくるんじゃないでしょうか?