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飛べない天使と溺れる人魚

「中堅社員が困惑する」ビジネスの目線が作る壁とその捉え方とは?

誰かと意見が合わない・・・、組織で意見が割れる・・・、
そんな事ってよくありますよね。
何故、同じ目的を持っているチームでも意見が割れるんでしょうか?
夫婦や友達、恋人同士ですらいつも意見が一緒という訳ではありません。

揉めてる家族のイメージ

 

人にはそれぞれ「目線の領域」のようなものが存在します
この目線とは、思考するベクトルであったり、想像出来る範疇だったりするものだと思います。その領域のある部分の目線が重なっていれば、その考えは理解できます。
しかし、重なっていない部分というのは、自分自身がそのままの目線では、なかなか理解出来ないものです。

これはもちろん、生息領域が違う状態にあるので相手にも同じ事が言えます。

ほとんどの領域で目線が合わないふたりもいれば、かなり近い目線と領域で過ごしているふたりもいます。ごく稀だとは思いますが、全く重なる領域がない組み合わせも存在します。その場合は、「おいおいアイツ何考えてるのかさっぱりわかんないよ。」という台詞が出てきてしまいます。

思考の不一致は表面に出てくる意見だけの問題ではない

一見、思考方法や考え方の違いに感じますが、そう考えてしまうのが、実は落とし穴だったりします。人間が領域において意見を持つ場合、大抵は理由があります。もちろんその人には人生があり、環境があり、哲学があります。当然、表面に出てくる答えが目線であり、領域ですが、その背景には様々な経緯や想いがあります。
その想いからくる目線に対する受容が、その理解に繋がる事が多いです。
もちろんこれは本来お互い様の事なんですが、平行線では何も進みませんので、受容出来る側(心持ちは神目線で良いと思います。)がしてあげた方が、効率は良いですし、結果的にストレスも少ないかと思います。

かといって我儘であまり視野の狭い人に全て併せていくわけにはいきません
それでは組織の繁栄はありませんし、何事においても成功する可能性がかなり低くなってしまいます

ビジネスで言うところのあるあるで言えば、営業部門と製造部門、経営サイドと従業員サイド等、もう太古の昔から相成れない部門やチームは存在しています

それぞれの正義のイメージ

それはお互いがお互いの目線以外の認識をする努力を怠っているからであり、それぞれの正義が重なりにくいからとも言えます。

  • とにかく売上を積みたい。
  • お客様のニーズに併せた沢山の商品を売りたい。
  • 不具合が起こった時の為、余剰の人工を残したい。
  • 安全に不具合のない商品を絞り込んで効率的に製造したい。

このようにふたつの正義はほぼ重なり合う事はありません。

この折り合いをつけるのが、経営かもしれませんが、有能な部門長は、他部門のニーズを叶える価値を知っています。その為、そのニーズがどこからくるもので、どの程度担保するべきなのか理解している状態にあります。

つまり他部門の目線を自分の中に取り込んでいる状態にあると言えます。

新人教育現場で起こるギャップ

こんな事も出来ない新人って、

こんな台詞をよく聞いてきました。普通ないよね・・・。考えれば分かるよね・・・。

はたしてそうでしょうか?間違った事をした部下に対して、何故そんな事をしたか、と聞く上司が多くいます。私には理解できない行動ですが・・・、

教育現場でのギャップ

間違った認識がある状態で故意にその行為を行う人は「極悪人」以外にはなかなかいません。つまりそれが悪い事だと解っていない場合がほとんんどなんです。それは常識の違いや認識の違いなどではなく、自分以外の目線を持っていない為に、行為の善悪に対する概念自体が抜け落ちているから起こる現象です。

組織でビジネスを行うには少なくとも8つの目線が必要

ひとつの業務や物事を教える為には、その業務に繋がる前後の仕事を理解していなければなりません。当然その前後には「人」がいます。この教えるという行為から、ひとつひとつ目線を追加していくイメージが大切だと思います。自分ひとりの思考・目線から関わる様々な立場の目線を増やしていくという事です。

これは特に提携作業ではない業務を教育していく際に必要となります。大きくいうとビジネスを考える上で考えるべき目線は4つあります。

  • 自分の目線(スタッフとして)
  • チームの目線(組織・部門)
  • 会社の目線
  • お客様の目線

そのそれぞれの目線に本音と建て前があります。
つまり理想を言えば8つの方向でひとつの物事を考えると、偏った考えになりづらいという事です。逆に言うと、そのどれかの目線が狂っているとその考え方には無理が出てきます。考え方の無理が発生すると言葉に説得力がなくなり、ただ我儘を言っている状態に見えます
フィードバックの際にも何故そうしなければならないかを伝える際に、役に立つのが目線です。課題に対して8つの目線で考えてみるのも良いかもしれませんね。 

目線が足りているかチェックする

どんな立場でも、年齢でも行動に迷う事は絶対にあります。そんな時オススメの行動は、その行動は誰の為か考える事にあると思います。
今行っている行動は、会社の為?
今行っている行動は、ブランドの為?
今行っている行動は、お客様の為?
今行っている行動は、チームの為?
今行っている行動は、メンバーの為?
今行っている行動は、自分の為?

こんな感じで自問をしてみて、その行動の辻褄が合わない場合や自分の為の場合は、間違っている事が多いかと思います。

目線のイメージ

経営者の目線とは

余談ですが、経営者と従業員で話が合わない理由はここにある事が多いです。
それは当然ですが、経営者にとっての目線は、自分・チーム・会社の目線と同一視されがちです。従って経営者は、従業員と目線が合わなくなり、必然的に孤独になります。

しかし、優秀な経営者は従業員という目線を追加し10個の目線で物事を判断しているのではないでしょうか?

目線は多ければ多いほど、受容の深い人になるとは思いますが、増えれば増える程、行動に縛りも多くなるかもしれません。

「ビジネスの目線が作る壁とその捉え方とは?」のまとめ

普段何気なく感じている意見の相違やギャップも、実際に紐解いていくと解決が出来るような気がしますよね?その気持ちが大切です。目線の補填とは、主観で出来る限界もあり、思考が相違している場合には、お互いがお互いの思考を理解するように努めなければ解決しない事もしばしば・・・。それが一番の難題なのですが、少なくともこちら側にその思考があれば相手の理解を深める事が出来ますよね?